ベタの飼育がやさしくわかる、プロの飼い方、育て方。

ベタ飼育ベタの飼い方(育て方)

ベタ飼育ベタの飼い方(育て方)

ベタはビンで飼育できる丈夫な熱帯魚というふれこみで小さなビンに入れて売られているのをよく見かけます。ですが、ベタの飼い方について何も知らないままベタの飼育を始めてしまうと、水が白く濁ったり、病気になったり、何かとトラブルが絶えません。

ベタは他の熱帯魚とは違った特徴を持った熱帯魚です。その習性に合った環境を用意してあげることがベタ飼育を成功させるための秘訣です。

ベタの飼い方にまつわる誤解

ベタの飼育を始める上で最も問題になるのは、ベタについて書かれたブログやサイトごとに全く違うことが書かれていているところにあります。これはベタの飼育は、ことのほか誤解が広まっていることが原因です。そこでまずは、どんな誤解が広まっているかを知っておくべきでしょう。

ベタが飼い主を威嚇する?

長いこと飼育していたベタが、ある日とつぜん、まるでベタのオス同士がケンカをするように、飼い主に向かってエラやヒレを広げてくることがあります。

初めてこんな体験をされ方は、ベタに嫌われたと思ってショックを受けてしまう場合もあるようです。

ですが、ちょっと待って下さい。

ベタに限らず魚がヒレを大きく開くのは自分をアピールしたいときです。もちろんケンカもそうですが、それだけではありません。求愛のときなどにも、ヒレを大きく広げて自分をアピールするのです。

ベタはとても感情が豊かと思わせられてしまうような振る舞いをすることが良くあります。ベタは記憶力も良く、知恵も働き、一匹づつ個性ゆたかな魚です。飼い主に向かってヒレを広げるのは、もしかしたらイヌがシッポを振ったり、ネコが足下にすりよってきたりするのと同じようなものなのかもしれません。

ベタには濾過器が必要?

ベタは普通の熱帯魚とは違った飼育をされることの多い熱帯魚です。ですが、ベタも普通の熱帯魚と同じように飼育することもできます。濾過器をセットした水槽には水流があります。ベタはこの水流を苦手とする、という話もよく聞きます。確かにヒレの長いベタは水流があるとあまりヒレを広げてくれないので、つまらないかもしれません。

でも、野生のベタは止水にもいれば、小川にもいます。ヒレの長いベタであっても、かなり強い流れを上手に泳ぎまわることができます。

とはいえ、やはりベタの魅力を楽しむためには、濾過器を使わない止水飼育が良いですね。ゆうゆうとゆったり泳ぐ様子、大きくヒレを広げて自分をアピールするなど、ベタの飼育がますます楽しくなってきます。

濾過器がないからと言って水が汚れるかというと、それは飼い方によります。ひとつはビンにベタだけを入れ、ほぼ毎日のように水を換えるという方法。この飼い方であれば、熱帯魚の飼育で良く言われる「水槽の立ち上げ」や「濾過バクテリア」を全く無視してコンテストレベルのベタを育て上げることができます。

ベタのブリーダーは、ほとんどがこの方法を採用しています。

もうひとつは、簡易バランスドアクアリウムです。(良く言われるバランスドアクアリウムとは別のものです。)これは水槽に濾過器は使わず、砂を敷いて水草を入れ、最小限の管理で状態良い環境を保つというものです。濾過器がないので、水をきれいにしてくれる植物性プランクトンや稚魚のエサとなる動物性プランクトンが濾過されずに生き残ることができます。これは簡易バランスドアクアリウムにおいて、とても重要なポイントです。

ところで濾過器を使っても使わなくても、水を毎日換えるようなベタの飼い方でない限りは、水は濾過バクテリアによってきれいにしてもらうことも必要です。

濾過バクテリアはプランクトンよりもさらに小さな生き物で、いわゆる細菌と呼ばれるものたちです。いろいろな種類の濾過バクテリアがそれぞれ特有の働きをしながら、水が汚れないようにしてくれています。

ベタはフタのない容器では飼育できない?

インターネットのブログやホームページを見ると、たまに「ベタの飼育にはフタが必須」と書かれているのを見かけます。ブログやホームページは一般の方が書かれていますので仕方がないとしても、雑誌にまでそうした記事が見られるような日本のベタ飼育レベルの現状はとても残念に思います。

フタのない容器での飼育は、水質浄化に役立つ様々なプランクトンが繁殖しやすくなるというメリットがあります。(空気中には無数のプランクトン、バクテリア、カビの胞子などが漂っているのです。)

実はベタにはフタのない環境での飼育が向いているのです。それは常に新鮮な空気と触れていることにより、ベタに必要な酸素はもちろん、様々な微生物が水槽へ入り込むことによって、濾過器のない環境でも安全な水質を維持し、稚魚の初期飼料を供給して生存率を高めたりすることもできます。

このように、ベタの飼育に詳しいベテランがフタを使わずに飼育するのはいくつかの重要な意味があるのです。

まず、フタを付けないことは、水に流れを起こさない環境においても新鮮な酸素を常に供給することができる唯一の手段となります。水中に溶け込む酸素の量は、水が空気に触れる面積の大きさによって決まります。フタがなければ水に面している酸素の量が減ることもなく、常に新鮮な酸素が一定量、水中に供給されます。ベタの好む止水環境においても水中に十分な酸素が供給されることにより、濾過バクテリアが本来の働きを行い、水の汚れを浄化してくれるのです。ベタを健康に管理するためには、毎日水を換えるか、濾過バクテリアに水を浄化してもらうか、そのどちらかしかありません。

もうひとつは濾過バクテリアの供給です。ベタの飼育においては、毎日水を換える飼育方法と、水を換える代わりに濾過バクテリアによる浄化作用で飼育する方法があります。

毎日水を換える飼育方法であれば濾過バクテリアを気にする必要はありませんが、そうでないなら大量の濾過バクテリアが水槽内に存在している必要があります。(ただしここで言う濾過バクテリアというのは市販されているバクテリアではなく、大気中を漂っている独立栄養細菌という特殊なバクテリアです。)

このバクテリアは他のバクテリアと違い、とてつもなく繁殖が遅い生物です。そのペースは一週間にわずか二倍ほどにしかならず、もしベタが飼えるくらいの濾過バクテリアを水槽の中で培養して殖やすつもりなら、いったいいどれだけ長い月日が必要かわかりません。ですから、常に水面を新鮮な大気に触れさせ、独立栄養細菌を供給し続けることを考えた方が賢明です。フタをしてしまうと空気は淀んでしまいますので、濾過バクテリアを集めるのにたいへんな時間が掛かってしまうことになります。これは病気の発生や突然死を招く原因となるものです。

また、ベタのエラはラビリンス器官という特殊な構造になっていて、大気中の酸素を直接取り入れて呼吸することができます。このことからも、新鮮な酸素がいつも用意されている環境は、ベタにとってストレスの少ない快適なものとなります。

ベタはフタがないと飛び出す?

ところでフタがないとベタが飛び出してしまうという人もいます。フタがなければ本当にベタは飛び出してしまうでしょうか?実際、ベタはとてもジャンプ力に優れた熱帯魚です。その気になればベタにとって飛び出すことなどたやすいことです。ですが、トラディショナルベタやショーベタのようなヒレを長く改良されたベタは、正しい知識で扱われている限り、フタがないからといって、まず飛び出すことなどありません。このようなベタが飛び出すのは、ベタにとって水質などが耐え難い環境であったり、産卵箱のような狭いケースに押し込めてしまったりした場合です。ベタはこうした居心地の悪い場所から逃げるためならば驚くほどの知恵を発揮し、信じられないような身体能力を見せつけてくることが良くあります。

実体験として、これまでに数百匹のベタをフタなしで飼育してきましたが、飛び出しによる事故はこの20年で一度も起こっていません。

ベタが死んでしまったという相談に寄せられるのは、ベタの飛び出しによるものではなく、病気によって死んでしまったというものばかりでした。フタのない飼育は、ベタが常に新鮮で清潔な酸素を呼吸できる環境と、水を浄化する濾過バクテリアの持続的な供給により、病気による死亡のリスクを減らすことができます。

飛び出しのリスクと病気のリスク、そのどちらが高いのかを考えると、対応すべきポイントは絞られてきます。

ただし、とても飛び出しやすく、必ずフタを必要とするベタもいます。それはヒレの短いベタ(ベタのメス、プラガットというベタの品種)と、ワイルドベタです。このようなベタを飼育する機会がありましたら、全ての隙間を完璧にガードしておかないと、わずかな隙間に狙いを定めて簡単に水槽からいなくなります。

ベタをフタのない容器で飼育するには、水をいっぱいまで入れず、5センチほど水位を下げておきます。浮き草など入れておくと、なお良いでしょう。

ベタブリーダーの楽しみ

ベタのオス同士は一匹ずつ隔離して飼育することが前提になります。そのため、ベタを繁殖させるには、大量の容器を保温することのできる設備が必要になります。ですが、そうして世代を重ねて品種に磨きをかけていくのもまた、ブリーダーならではの、たいへん魅力的な飼育方法です。そもそもベタのブリーダーとは何かというと、一般的にはショーベタの繁殖をしている専門家のことになります。ショーベタとは、色や模様、そして、大きなヒレにさらなる改良を加えることで美しさを極めたベタの品種です。ちなみによくビンに入れて売られているのはトラディショナルベタ(通称トラベタ、または、並ベタ)と呼ばれています。

グッピーで例えるならば、海外から輸入されるグッピーを繁殖していてもグッピーのブリーダーとはあまり呼ばれませんが、国産グッピーを専門に繁殖させている方は、グッピーのブリーダーとして一目おかれる存在になっています。ベタの場合には国産グッピーをショーベタに置き換えることができます。

ベタの病気


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【ちょっと良い話】ビン入りベタを水槽へ。美しいベタの飼育セット。ベタ飼育セット水槽)他にもいろいろあると思うので探してみて下さい。

ベタのオス同士の混泳について書かれたサイト!小さな熱帯魚の楽しみ方